USJが沖縄に来る?


沖縄発のコラム:美ら風(ちゅらかじ)

 米国系テーマパークのユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)の運営会社のグレン・ガンペル社長は18日に大阪市内で開いた会見で、「現在、議論が進んでいるのは、沖縄に新たなテーマパークを開設すること」と表明した。

 同社長によると、米国や大阪にあるような映画をテーマにすることにはこだわらないという。建設予定地についての明言はないが、地元の報道などを総合すると、沖縄本島北部の名護市の名護自然動植物公園(ネオパークオキナワ)と本部町の海洋博公園の隣の2カ所が有力視され、東京五輪開催の2020年前に開業する案が出ている。

 小中学生に感想を聞くと、「沖縄に待ちに待った遊園地ができる」と手放しで喜ぶ意見と、「映画がテーマではないなんて、意味がない」と不満の声が入り混じっている。

 USJは、国内だけでなくアジアからの観光客を誘致する大きな目玉施設として注目される。那覇空港の第2滑走路の建設が2020年3月末の完成に向け急ピッチで進んでいる。仲井真弘多(ひろかず)前知事が政府と交渉し、計画を1年半前倒しさせた功績は大きい。

 USJの沖縄誘致には政府も前向きで、菅義偉官房長官は「沖縄の振興を考えたときには極めてインパクトがある」と歓迎の意を表明している。

 今後、USJを誘致したい自治体の間で一定の駆け引きが予想されるが、普天間飛行場(宜野湾市)の名護市辺野古への移設計画にも何らかの影響を与えることが予想される。

 USJの誘致をきっかけに、菅官房長官と翁長雄志(おながたけし)知事の会談が実現し、移設問題が実現に向けて早く解決することを願うばかりだ。(T)