翁長・那覇市長が新年会で烽火
沖縄発のコラム:美ら風(ちゅらかじ)
仕事始めの6日を皮切りに数多くの開催された新年会は基地問題をはじめとする沖縄県の行方を占う絶好の機会となった。
新年トップバッターを飾る島尻安伊子参院議員(自民党)の新年の集いで島尻氏は、宜野湾市の市街地にある普天間飛行場の固定化を避けるための知事の決断を評価。自民党県連の照屋守之幹事長は「責任政党として普天間問題を前に進ませる」と決意。「県外移設」を主張していた昨年とは違って、歯切れが良かった。
7日開催の那覇市主催の新年会は重苦しい雰囲気となった。
翁長雄志市長が冒頭、目の前に立っていた県商工会議所連合会の国場幸一会長について「若干、考え方が違いますが」と前置きした上で、「うちなーんちゅ(沖縄県民)のアイデンティティーを守りましょう」と言及。アイデンティティーとは、「沖縄の長い歴史の中、脈々と受け継ぎ、育んできた文化」で、「いかに市民・県民が主体性を発揮できるかが試されている」と説明した。
乾杯のあいさつで登壇した国場氏は、「市長が『県民のアイデンティティー』と言った時はドキッとした。また何か県民大会でも開催するのではないかと思った」と話し、参加者の苦笑を誘った。
翁長氏は昨年、反基地・反オスプレイ運動の旗振り役を務めていた人物。県知事の埋立承認に対して真っ先に抗議決議を採択したのは那覇市議会だった。
翁長氏は、昨年まで出席していた島尻氏の新年会と自民党県連の新年会のいずれにも姿を現さなかった。知事に反旗を翻して再び「オール沖縄」という錦の御旗を掲げるのだろうか。次期知事候補とうわさされるだけに、その言動を注視したい。(T)