朝日と「慰安婦」反日工作を仕組み、今なお平然と嘘をつく元NHK・永田氏

◆偏向騒動引き起こす

 10連休明けの7日、新聞が休みなので産経ネット版を見ると、人気記事のランキングに「元NHK・永田浩三氏『安倍君、憲法をいじるのはやめろ』」というのがあった。アップされたのは憲法記念日の3日夕刻。かなり経(た)つが、まだ上位にランクされている。

 永田浩三氏。随分、懐かしい名前だ。さっそく記事を読んでみた。永田氏は都内で開かれた護憲派集会でマイクを握り、安倍晋三首相と同じ1954年生まれであることを明かした上で、「大事な憲法をいじるのはやめておとなしく身を引きなさい」などと強調している。生まれが同い年なので「安倍君」か。肩書には「元NHKプロデューサーで武蔵大教授」とある。氏はいつの間にか大学教授に収まっていた。

 永田氏は2001年1月、NHK教育テレビで放映されたシリーズ「戦争をどう裁くか」の統括プロデューサーで、「問われる戦時性暴力」(同30日放映)をめぐって偏向騒動を引き起こした。すっかり忘れたという人のために振り返っておくと、こうである。

 前年12月、「『戦争と女性への暴力』日本ネットワーク」(バウネット)という団体が「日本軍性奴隷を裁く『女性国際戦犯法廷』」なるものを開いた。「法廷」には「弁護人」役はおらず、「検事」役として北朝鮮から拉致工作機関の幹部2人を招き、昭和天皇に対し「強姦と性奴隷制」の責任で“有罪判決”を下す異様なものだった。

 バウネットは元朝日編集委員の松井やより氏(02年12月死去)が設立したもので、「法廷」の直前に関係者らが訪朝し、検事役と打ち合わせまでしていた。番組製作を下請けしたNHK子会社の女性プロデューサーも運営委員に加わり、シナリオをバウネットと作成。これをNHK側から推進したのが永田氏だ。

 この「法廷」を産経が取材し一般参加者もいたことから、NHKの放映予定に批判が噴出、安倍官房副長官(当時)がNHK予算の説明に来た幹部に「公正中立」を求めた。局側は内容を吟味し、自主的に編集し直して放映した。

◆損賠訴訟で全面敗訴

 これを朝日は4年も経った17年1月12日付で政治圧力による「NHK『慰安婦』番組改変」と騒ぎ立てた。記事は曖昧なもので、朝日は第三者委員会の設置を余儀なくされ、「取材不足」を認めた。だが、訂正・謝罪もせず、他紙から「事実解明なしで新聞社ですか」(毎日9月1日付社説)と批判される始末だった。

 バウネットはNHKを相手取り損害賠償訴訟を起こしたが、全面敗訴(20年、最高裁判決)。逆に裁判を通じて政治介入がなかったことが証明された。ちなみに記事を書いた本田雅和記者はバウネットの訪朝にも同行していた。NHKと朝日が仕組んだ「慰安婦」反日工作だった。

 ところが、永田氏は護憲集会で、こう述べている。

 「(NHK改変問題は)その後、朝日新聞の取材で輪郭が明らかになっています」「私は抵抗しましたが、敗れました。体験したことを世の中に語ることができず、孤立し、長い間、沈黙を続けました。悔しく、また恥ずかしいことです。あの時、君はそれなりの権力者でした。放送前に番組を変えさせるなんて、憲法21条の言論の自由、検閲の禁止を犯すことになり、そのことが世の中にさらされれば、君は今のような総理大臣になっていなかったことでしょう」(産経ネット版)

 冗談ではない、世にさらされたのは朝日の虚偽報道だ。安倍氏は潔白だから、その後、総理大臣になった。それを平然と嘘(うそ)をつく。こういう人物が大学教授になっている方がよほど恥ずかしい。

◆変わらぬ朝日の体質

 では、令和になって朝日の体質は変わっただろうか。6日付のシリーズ「1条 憲法を考える」では「加害の歴史、向き合うのは誰 不問にした『元首』の責任」と、今に至っても昭和天皇の「戦争責任」を俎上(そじょう)に載せている。こっちも懲りない面々である。

(増 記代司)