「赤旗みたい」と共産党員絶賛の朝日・高橋純子氏が“臭い”闘争礼賛

◆「トイレ」云々コラム

 かつて朝日に松井やよりという女性記者がいた。

 「赤い牧師」として知られた東京山手教会の平山照次牧師の娘で、一家挙げて共産主義に傾倒し、弟は共産党員の反米活動家だった。彼女は同僚の朝日記者から「新聞記者ではなく活動家」と言われるほどで、慰安婦報道では「吉田偽証」ばりの記事を書いた。

 編集委員まで務め、朝日退社後に「戦争と女性への暴力」日本ネットワーク(バウネットジャパン)という団体を設立。その代表となり、2000年12月には東京で「女性国際戦犯法廷」を開催し、検事役として日本人拉致に関わった北朝鮮工作員を招き、昭和天皇に対して「強姦と性奴隷制」の罪で“有罪判決”を下した。

 これをNHKが「問われる戦時性暴力」として取り上げようとし、あまりの偏向ぶりにNHK幹部が驚き、放映直前に手直しを加えた(01年1月30日放映)。それを朝日は安倍首相と故・中川昭一氏が「NHK『慰安婦』番組改変」と、政治圧力だと捏造して報じた(05年1月12日付)。これが「安倍vs朝日」の起源だと言ってよい。

 松井氏は02年に鬼籍に入ったが、朝日にはこの人を彷彿させる女性記者が今もいる。高橋純子記者で、政治部次長というれっきとした幹部だ。2月28日付の「政治断簡」と題するコラムに「だまってトイレをつまらせろ」と書き、週刊新潮(3月10日号)に「結局何が言いたいのか?『朝日新聞』政治コラムにチリ紙1枚の価値もない!」となじられている。

◆指名手配犯の評価に

 このタイトル通り、何が言いたいのか、難解だ。1960年代末から70年代初頭にかけて山谷や釜ヶ崎で名をはせた船本洲治という活動家が、工場のトイレが水洗化され、経営者がケチってチリ紙を完備しないとき、労働者は交渉も闘争もせず、新聞紙等でお尻を拭けばよい。そうすれば、意図せずとも、トイレが自然に壊れる。修理費を払うか、チリ紙を置くか、あとは経営者が自分で選べばいいと語ったという。

 それが「だまってトイレをつまらせろ」だ。高橋記者は「このところ、なにかにつけてこの言葉が脳内にこだまし、困っている」そうで、「きらめくなにかを感受してしまった」というのだ。そして矛先を安倍政権に向け、「トイレをつまらせろ」と主張する。つまり「時には物理的手段をもって抵抗しよう」(新潮)というアジテーションだ。

 しかも新潮によれば、船本氏は単なる活動家ではなく、地域センターを爆破した疑いで指名手配され、全国を潜行していた最中、75年に皇太子殿下(当時)の沖縄訪問に抗議し、嘉手納基地前で焼身自殺した。高橋記者はそんな過激活動家に魅了されているのだ。それで「新聞記者というより活動家」の松井氏を思い出した次第だ。

 本欄で高橋記者を取り上げるのはこれで3度目だ。まず党員も驚く共産党賛美記事を書いた(09年1月11日付「ルポにっぽん」)。党員(衆院選候補、中野さなえ氏)のブログ(同日付)で記事を紹介すると、こんな具合だ。

 「地区委員会で朝日新聞を見てびっくりでした。一面と二面を使って、かなり大きく共産党のルポ記事です。新入党員の入党の経過を追ったものでした。…また五〇年来の自民党員が、『選挙区は民主、比例は共産党』支持に変わったルポも。『え、これが朝日の一面記事? まるで赤旗みたい!』が私の感想でした。…それにしても、このルポを書いた記者、高橋純子さんとはどんな方なのでしょう?」

◆お詫びでも幹部登用

 あまりの共産党賛美記事に当の党員もびっくりだった。ところが、この記事の中で奈良県川上村の元森林組合長が民主党と共産党との「選挙協力」を「主導している」と書き、元組合長から事実でないと抗議を受けた。

 朝日の第三者機関の「報道と人権委員会」が調べたところ、そうした事実はなく、取材後も裏付け取材が行われていなかった。それで朝日は「おわび」を載せた(同4月25日付)。それが2度目だ。そして今回の「だまってトイレをつまらせろ」が3度目となる。「新聞記者ではなく活動家」が朝日の政治部幹部なのだから、おのずから朝日の体質が知れる。

(増 記代司)