「ソドミズム」と呼ばれた性関係・LGBT容認記事垂れ流す大手紙
◆お墨付き与える朝日
「ソドミズム」という言葉をご存じだろうか。昔、ソドムとゴモラという街が淫行にふけったため神の怒りに触れ、アブラハムの甥であるロト以外はことごとく滅ぼされた(旧約聖書)。モーセの十戒には「姦淫してはならない」とある。それで伝統的なキリスト教社会では「不自然な肉欲」とりわけ同性愛をソドミズムと呼んで禁じた。
18世紀の革命期のフランスでサド侯爵(マルキ・ド・サド)がこれに反旗をひるがえし、「不自然な肉欲」の限りを尽くした小説『ソドムの120日』を著し、貴族でありながら「狂人」としてバスティーユ牢獄に幽閉された。
仏教でも在家信者が保つべき「五戒」の徳目の中に邪淫(よこしまな性関係を結ぶこと)禁止があり、破れば焦熱地獄に堕(お)ちるとした。古今東西、淫乱は厳しく誡(いまし)められてきた。宗教、時代を超えた普遍的な道徳観だろう。
それがどうだろう、昨今の新聞には「サド侯爵」が徘徊(はいかい)しているではないか。朝日10日付生活欄に「性別の悩み わかり合おう LGBT支援サークル続々 50大学に」との恐るべき記事が載っている。
リード文には「『LGBT』といわれる性的少数者のサークルが全国の大学で続々と誕生している。本人たちが悩みを語り合うだけでなく、当事者でない人とつながりを広げる活動も増え始めた。『居場所』づくりから『発信』へ。目指すは、どんな人にも生きやすい社会だ」とある。
この「どんな人」がソドミズムだ。LGBTとはレズビアン(L=女性同性愛者)、ゲイ(G=男性同性愛者)、バイセクシュアル(B=両性愛者)、トランスジェンダー・トランスセクシュアル(T=性別越境者)を指す。
記事によれば、5月下旬に神奈川県立大師高校(川崎市)で1年生140人を対象にLGBTの大学生らが人権教育の一環として出張授業を行った。これまでに100回以上、中学や高校、大学で出張授業を開いてきたという。どんな授業をやったのか、詳しい内容は書かれていない。中学校にもレズビアンやゲイが大手を振って出入りしていたのか。これでは学校が風俗店にされかねない。
◆性同一性障害と混同
記事には性同一性障害の診断を受けている、体は女性、心は男性だという学生が登場する。朝日は何の疑問も抱かず(一般社会もそうだが)、性同一性障害をLGBTとしているが、これは根本的な間違いである。
Tはふつう異性装(男性の女装、女性の男装)を指す。これに対して性同一性障害は名称に明らかなように自己自身内の「障害」で、特別法に基づく性別変更では心の性に合わせる外的手術を施し、「より男らしく」あるいは「より女らしく」を目指す。だから他者との間の性的指向のLGBTとは異質である。
それにもかかわらず、障害者はLGBTとごちゃ混ぜに「性的少数者」とされる。どうやら朝日は障害者を利用して「(LGBTの)生きやすい社会」すなわち日本社会をしてソドムにしたいらしい。
それにしてもソドミズムのサークルが50大学にも広がっているのには驚かされる。朝日6月24日付「松本サリン事件20年」は、大学内のオウム真理教系サークルだけでなく、他の宗教系サークルも批判的に取り上げている。大学当局は、宗教は否定しソドミズムは肯定するのか。
◆「人権」で道徳が危機
テレビではNHKがLGBT支援番組を放送し続けている(本欄5月18日付「善意を盾に偏向思想押付けたNHK『ニュース深読み』LGBT特集」)。
新聞では朝日だけではない。読売5月1日付夕刊「多様化する家族 社会と『心の壁』 受け入れるには『理解』から」は、レズビアンによるLGBT支援活動を肯定的に紹介している。産経3月17日付「鼓動2014」は、中国の同性愛者を取り上げ「4000万人の“同志”苦悩続く」と人権問題として報じている。
こんな具合に新聞は朝日に限らず、LGBT容認記事を垂れ流している。ウガンダが反同性愛法を制定したことや(本紙3月17日付)、米ワシントンで同性婚反対集会が開かれたこと(本紙6月21日付)を肯定的に報じるのは本紙だけだ。道徳的危機は深刻と言わざるを得ない。
(増 記代司)