眞子殿下に矛先向ける文春、コロナ対策で首相に政治判断求める新潮
◆突っ込んだ内容暴露
在宅を余儀なくされるゴールデンウイークを控えて週刊誌各誌は特大号、合併号を出して、盛りだくさんの内容を伝えている。
週刊文春の“ご結婚問題”への爆撃が止まらない。小室圭さんが発表した“釈明文”の背後で秋篠宮眞子内親王殿下が関わっていたことが報じられたが、同誌は5月6・13日号で「驚くほど深く主体的に関わってこられた」と、さらに突っ込んだ暴露をしている。
「将来の私の家族までもが借金を踏み倒そうとした人間の家族として見られ続けるということを意味します」の箇所で、この部分に眞子さまの強いご意向が込められている、つまり、小室さんに言わせたというのだ。
同誌はこれについて、「国民とともに歩む皇室にとって最も重要な『国民の目にどう映るのか』という視点が決定的に欠けていた」と断じた。眞子さまへの真っ向からの批判である。さらに、眞子さまは「『おっとり型』というイメージで語られがち」だが「実際にはご自身の意見をはっきり述べられ」「むしろ“気の強い人”」で、ある時は小室さんの対応に「甘いのよ!」と叱咤(しった)されたとも伝える。
「騒動の影に女あり」で、次第に矛先を眞子さまに向け始めた文春。「大丈夫か?」と、しばし戦況の推移を見物する。
◆ブラックな職場環境
次の記事「山尾志桜里 不倫弁護士の前妻が自殺していた」はいかにも週刊誌らしい。山尾議員と不倫相手の弁護士倉持麟太郎氏、自殺した前妻が登場するこの記事にはさらに第3の女性までが出てくる。
今独身の倉持氏がどう振る舞おうと構わないが、この記事を読んでみて、登場人物の行動が記者によって詳細に行動確認されていることに驚く。山尾議員が議員パスを使って“私的な”買い物などを行っていたとか、倉持弁護士が山尾氏でない女性と渋谷で逢瀬(おうせ)を楽しんでいたとか、週刊誌記者も大変な仕事で、時間帯などを考えれば、明らかに「ブラック」な職場だと、本筋とは別なところで感心させられた。
同誌をはじめ月刊文藝春秋の編集長などを務めた半藤一利氏が今年1月に逝去。追悼特集をしている。「晩年の弟子」を自任する編集者の石田陽子氏が「半藤さんの遺したことば」を特集の冒頭に書いた。
一目ぼれした向島の芸者に身請け話が出て、置き屋に乗り込んだ(東大卒文春勤務の)半藤氏に、「身分違いだ…かえって…不幸になりまさァ」とさらりとかわしたのが芸者の父・春風亭柳好師匠(三代目)。「まるで絵に描いたような失恋話」に「いや、つくり話じゃないンだ」と。このほか、著名人による追想などが続く。こんな記事を読んで分かる年齢といえば、60半ば過ぎぐらいだろうが、半藤氏は草葉の陰で言うに違いない。「若造に何が分かる」と。
◆既存薬の使用を訴え
ワクチン接種が進まない、というのが国民の実感だ。「やっている感」だけで「休業を求める緊急事態宣言という名のパフォーマンス」は「暴挙」だというのが週刊新潮(5月6・13日号)で、「まずは有望な既存薬を使わせるべきではないのか」と訴える。
ノーベル賞受賞の大村智北里大学特別栄誉教授が開発した「イベルメクチン」が「コロナに効果が確認されたという論文も」多く、「東京都医師会も、緊急使用できるための政治判断を、と訴えている」という。
ワクチン接種でこれだけ後れを取った日本政府。この非常時に効果のある既存薬をどうして認可できないのか。「政治判断」とはすなわち菅義偉首相の政治力有無のことだろう。
週刊ポスト(5月7・14日号)が「今こそ中国に『NO』と言える日本」を特集した。その意気や良しだが、どうみても人口14億の隣国を無視して日本は存在し得ない。どの記事も勇ましいが、では対案はと問えば、ない。GWにそれを考えてみるのも時間つぶしにはなるかも。
(岩崎 哲)