眞子殿下と小室圭さんの結婚問題で最後の抵抗を試みる新潮・文春
◆疑念の払拭を求める
今年の締めくくりは週刊新潮(12月31日・1月7日号)と週刊文春(同)が揃(そろ)って取り上げた「国民的関心事」(新潮)である秋篠宮家の長女・眞子殿下と小室圭さんの結婚問題だ。共にトップ記事である。
12月10日、西村泰彦宮内庁長官が会見で異例の発言を行った。「責任を果たすべき方が果たしていただくことが重要」。誰のことか。長官は3人を挙げた。「小室さんの弁護士、そして小室さんご本人とお母様」である。
週刊女性が小室家の借金問題を報じたのが2017年暮れ。皇室の結婚に絡むのだから、国民の関心は高く、週刊誌が飛び付き、しつこく報じるのも無理はなかった。だが一向にスッキリしない。今に至るまで、西村長官が言うように説明責任が「果たされていない」のだ。
西村長官が発言したのは、ここにきて結婚問題が動き始めたからで、今、問題をはっきりさせなければ、このままずるずると皇室に“もやもや”が持ち込まれるとの危機感にも似た思いがあったからだろう。
眞子さまが結婚への「お気持ち」を語られたのが11月13日、秋篠宮殿下も「結婚を認める」と事実上のGOサインを出された。小室さんの母の元婚約者も借金の返済を求めないと放棄している。これで結婚への流れが一気に動き出したのである。
これまで説明責任を追及し、“国民が祝福できる結婚”を求めてきた週刊新潮としては、もはや降参せざるを得ない。今号の「元凶『小室圭さん』が『リモート会見』の行方」の記事はせめてもの抵抗と読める。
そこで西村長官が求めた「説明」を現在、米留学中の小室圭さんが「リモート」で行い、「少しでも疑念を払拭していただきたい」と「皇室ジャーナリストの山下晋司氏」のコメントで呼び掛けているわけだ。
時期として「名古屋大学大学院の河西秀哉准教授」は「1月15日の歌会始が終わった後が適切ではないか」と同誌に語っている。時期はもうどうでもいい。中身が真摯(しんし)で、国民が納得し、ご結婚を祝福できるようになるものなら。
◆中高での黒歴史暴露
一方“最後っ屁”は週刊文春の方が臭かった。この期に及んで小室圭さんが「いじめに加担していた」との“黒歴史”暴露である。「小室圭さんのイジメで私は高校中退ひきこもりになった」との「衝撃告白」記事だ。
文春砲の砲弾充填(じゅうてん)は、尽きない“タレコミ”が元になっている。これもその一つで「十二月初旬。小誌編集部に、小室さんの過去にかかわる、ある重要な証言がもたらされた」という。タイミングからいって、眞子さま、秋篠宮さまの会見を受けてのものらしい。
それによれば、中学高校で一緒だった女子生徒が小室さんたちのいじめに遭い、高1で中退し、2年間、引きこもりになったというのだ。小室さんはその女子を「ブス」「ブタ」とか言っていじめていた「男子五人組」の一人だった。
同誌はそのうちの2人に取材している。だが、告発を否定し、「こんなくだらないことで(イジメが)ある、ないと世間に話を出すのは頭おかしいと思う」と全然相手にしていない。
いじめは受けた当人には重大事でも、加害者には自覚がないことが多い。「からかい」や「いじり」が被害者にとっては深刻な傷になるが、追及される方は「何を今さら」と思う。しかもこの時期である。「悪いことを取り上げて、お金が儲かるような記事にしようって、おかしくないですか?」と文春記者はコケにされている。
同誌は弁護士に見解を聞いた。「イジメ問題に詳しい、渋谷リヒト法律事務所の菅野朋子弁護士」で、「今回のケースも完全にイジメに該当します」との“判定”だ。「眞子さまに、彼の“もう一つの顔”を知っていただきたいと思います」と“被害者”は告発の動機の一つを語るが、「恋は盲目」というから、おそらくその声は届かないだろう。
◆明るい年の到来期待
コロナ禍で過ぎた令和2年、「インフルと同じ5類相当にせよ」と新潮は訴え続けたが、ついに日本は「鎖国」を打ち出すほどの感染状況となった。新年はワクチン接種して東京五輪を迎える明るい年になってほしいと心から願う。
(岩崎 哲)