監禁7日目で考えだす
「青春を返せ裁判」法廷証言から(7)
原告の1人、木山ゆう子さん(当時30、仮名)が平成11(1999)年12月14日に被告側代理人の尋問に答えた証言は、監禁の目的、監禁期間中の説得のありさまなどが、より具体的だ。
代理人 あなたは統一教会を脱会しましたね。
木山 はい。
代理人 脱会されるときにはどこかのマンションに監禁されましたでしょう。
木山 連れていかれました。
代理人 だれが中心になってあなたを監禁したの。
木山 父と母です。
代理人 どうしてあなたを監禁したんですか、目的は何ですか。
木山 統一協会を脱会させるために。
代理人 なぜ脱会させようとしたの。
木山 それはお父さんとお母さんが多分よくないことをやっていると思ったからだと思います。
(中略)
代理人 お父さんお母さんは、宗教に年がら年中、四六時中献身してて、宗教活動を行っているということは問題があると考えたんじゃないですか。
木山 はい。
(中略)
代理人 あなたは何日間くらい監禁されてましたか。
木山 何日間というのは覚えてません。七日目くらいでちょっと考えだしたと思います。
代理人 中心になったのはあなたの両親ですね。
木山 はい。
代理人 脱会させるのに、それ以外にどういう人たちが関与してましたか。
木山 うちの親戚とかパスカルさん(編注・脱会屋)が話ししてくれました。
代理人 パスカルからあなたは話を聞いたんですね。
木山 はい。
代理人 監禁されたマンションの中で聞いたんですね。
木山 はい。
代理人 何を聞かされましたか。
木山 主には原理講論と聖書が言っているところの違いというのを。
代理人 パスカルというのはクリスチャンですか、それとも新教の信者ですか。
木山 新教です。
(中略)
代理人 あなたを監禁状態にしておいて、部屋からどこにも出られない、自由が束縛されていることをはっきり分かりますね。
木山 はい。
代理人 精神的にも束縛されているでしょう。
木山 はい。
代理人 物理的にも束縛されていますね。
木山 正確に言うと七日目まで。
(中略)
代理人 だれからあなたの両親は統一教会の教理について教わっていたの。
木山 多分パスカルさんだと思います。
(「宗教の自由」取材班)