ベテラン教員大量退職で「年齢構成」などに課題


ベテラン教員大量退職で「年齢構成」などに課題

小学校の教員の年齢構成割合(平成25年10月1日現在)

 文部科学省が8月に発表した「学校教員統計調査」で、教員の平均年齢が下がっていることが明らかになった(調査は昨年10月1日現在)。

 公立小学校教員の平均年齢は3年前の前回調査より0.3歳下がって44.0歳。中学校教員は0.1歳下がって43.9歳だった。これは、第二次ベビーブーム世代が入学した昭和50年代に大量採用された教員が退職の時期を迎えたからだ。

 ここ数年、新規採用の若い教員が増えており、ベテランの大量退職で経験や指導法が十分伝えられなくなるのではないか、と言われている。また、これに関連して指摘されているのが、50代以上と20~30代の若手の割合が高くなる半面、30代後半から40代の中間世代が相対的に少なくなっていることだ。

 5歳ごとの年代別で、小学校では「55~60歳未満」が全体の18.6%、「50~55歳未満」も17.4%を占めたが、30代後半~40代は各年代とも1割程度。中学校でも同様の傾向だった。

 「全国の学校を回ると、若い先生たちが熱心に勉強し、実践している姿をよく見かける」(ベテラン教員)という声もあり、若くても教員としての力が不足しているとは限らない。ただ、中間世代はベテランの経験を受け継いで若い教員に伝えたり、若い教員をまとめるなど重要な責任を担う。こうした点に支障が出ることは避けられないだろう。