日本財団の笹川陽平会長のブログに「北京の…


 日本財団の笹川陽平会長のブログに「北京の大気汚染とブラックユーモア」 [2015年12月18日(Fri)] と題して次のような小話が載っている。相当強烈、大いに笑える。

 米国の税関スタッフ:ミスター、真に残念ですが、アメリカ合衆国への入国を拒否せざるを得ません。/中国人観光客:何故ですか?/米国の税関スタッフ:北京から来たのに、お荷物の中に一枚もマスクが見つからない。帰国する意志がない移民の疑いがあると判断する。(以下略)。

 核心を衝いていてタイムリーなので、ぞっとさせられる。先月末から、北京は濃いスモッグに覆われ、視界は200㍍以下。最高でPM2・5濃度が1立方㍍当たり1000マイクロ㌘近くに達した(WHO基準値の28倍)。

 国連気候変動枠組み条約第21回締約国会議(COP21)の開催中、記者会見で問われ「確かにスモッグと気候変動問題の根は同じ。スモッグの深刻さは環境管理、気候変動対応の緊迫性を浮き立たせている」と中国の報道官。

 同会議で中国の示した将来の温暖化対策は一応評価されたが、足元の「汚染」に関する釈明はいかにも苦しそうだった。中国の大気汚染は粗暴な経済発展のツケとも言え、対策の遅れが著しい。

 経済大国でありながら従来、温室効果ガス削減に関しては新興国という立場を強調し、追及をくぐり抜けてきた。こうしたダブルスタンダードは通用しないことを肝に銘ずべきだ。