人気の労働者区村祭り
地球だより
ウィーン16区オタクリングで13日午後3時から3日間、キアタークが開かれた。キアタークは「教会献堂祭」という意味。中世から続く教会を中心とした村づくりを祝う祭だ。
隣国のドイツでもフランスでも呼び方が少し違うだけで、同じような村祭りがある。オタクリングのキアタークはその中でも有名だ。
キアタークでは毎年、市長を招いてオープニングが行われ、子供たちはズッカーワッテン(綿あめ)などを買い、出店を覗きながら歩くのが楽しみだ。空中ブランコやメリーゴーランドなどの遊技場も設置され、子供や若者たちの賑(にぎ)やかな声が聞こえる。奥の中央には舞台が準備されて、バンドが歌を披露する。人々は、所々に容易されたテーブルでビールを飲みながらグリルチキンやソーセージをつまみ、話に花を咲かせ、秋の日を楽しむ。
「労働者の区」といわれるオタクリングのキアタークは今年で40年目を迎えた。これまでは24年市長を務めたホイプル市長がキアタークの常連ゲストだったが、昨年5月に退任した。ホイプル前市長はオタクリング出身ということもあって、区民の間では格別人気があった。
キアタークが終わると、子供たちは「新学期が始まる」と少し緊張し、早朝に仕事場に出掛ける多くの労働者たちは本格的な秋の訪れを感じる。オタクリングのキアタークでは、ドイツ語以外に、トルコ語、セルビア語などさまざまな言語が飛び交う。夜10時頃まで賑やかだ。
(O)