あおり運転が多いワケ
地球だより
先日、日本で度が過ぎたあおり運転を繰り返した揚げ句、車から降りて暴行まで加えた男が逮捕されて大きなニュースになったが、韓国でもあおり運転が全国で多発し社会問題になっている。こちらでは主に「報復運転」と呼ばれ、方向指示器を出さずに車線変更してきた車がすぐ前に割り込んできたり、相手に進路妨害されたと感じたときにドライバーがカッとなってその車を追い抜いてわざと急ブレーキをかけたり、逆に進路妨害するというパターンが多い。
筆者もハンドルを握ることが多く、何度かあおられたことがある。ソウル市内を流れる漢江に架かる橋を渡る直前に2車線が1車線に減る場所がある。そこで横から大型トラックが猛スピードで割り込んできた。危ないのでクラクションを鳴らすと、それに腹を立てたのかすぐ前を走行しては急ブレーキ、また走行しては急ブレーキという具合に嫌がらせをされたことがある。似たようなあおり運転で加害者と被害者が車から降りて言い争いを始めた場面に出くわしたこともあった。
韓国人の運転は日本人よりはるかに頻繁に車線変更し、かつスピードを出す。高度経済成長を支えたあの「パルリ、パルリ(早く早く)」精神の名残りなのか、割り込まれたり抜かれることには必要以上にストレスを感じるようだ。だからトラブルも起きやすく、あおり、あおられるのではないか。
花鳥風月を楽しみ、せかせかと働かなかった朝鮮王朝時代の両班(ヤンバン)を気取っているのかなと思う韓国男性は今も少なくないが、車の運転ではそんな両班風情とはいかないようだ。
(U)