晴れ舞台の卒業式の日


地球だより

 6月1日土曜日、全国の高校で卒業式が行われ、約2万5000人が卒業した。その日は、1教科につき6時間にも及ぶ卒業試験をパスした高校生たちの晴れ舞台の日だ。

 午前中は卒業式。一人一人に高校を卒業した証しであるラッキ(Lakki)という黒いツバがある白い帽子と、卒業試験結果が記載されている卒業証書が授与される。クライマックスは、全員一斉にラッキをかぶる瞬間だ。

 午後からは卒業パーティーの時間。親族、友人・知人たちを家に招待して一緒に盛大に祝う。親たちはケーキ、軽食、料理、飲み物などを準備する。フィンランド人の友人に、なぜ高校の卒業だけ盛大なのか聞くと、高校に行って勉強する子供が少なかった時代、卒業は家族、親族にとっても名誉なことであり、親族や友人を招いて子供が無事卒業できたことに感謝を示したらしい。その慣習が今日まで続いているのだ。

 パーティーの時間帯、一輪のバラ、祝賀カードとお祝い金を持ってやって来る訪問客を、ラッキをかぶった卒業生と家族が、玄関でシャンパンかジュースで一緒に乾杯し迎える。

 わが家族も今年は四つの家庭から招待状を受け取った。

 バラの花、カードならびにお祝い金を準備し、車で4家庭を順番に訪問して、卒業生の家族と共に卒業の喜びを分かち合うひとときを持った。

 晴れ舞台の本人たちが、訪問客一人一人に嬉(うれ)しそうに挨拶して回る顔は輝いていた。

(Y)