長時間労働が常態化


地球だより

 世界中のゲームソフト企業も長時間労働は同じなようで、フランスでも制作会社の長時間労働が問題になっている。今やゲームソフトは高い収益を生む有望産業となり、若者の間で職業としての人気が上昇する一方、労働環境の改善が求められている。

 フランスでは、ビデオゲーム産業の成長を機に数年前から見本市が開催されるようになり、10月末にはパリ・ゲームズ・ウィーク見本市が開催され、盛況を博した。主催の娯楽ソフトウエア出版社組合は、市場規模の大規模化で勢いづいている。

 フランスのビデオゲームは世界的にも高い評価を受け、商業的にも大成功を収めている。そのため、単にゲームを楽しむだけでなく、制作に関わりたいという若者も急増中で、小規模の制作会社が乱立している。

 競争の激しいゲーム業界では、完成度の高さもさることながら、短期間で作製し、市場に投入することが求められており、結果的に従業員は、会社に寝泊まりするという就労スタイルが常態化しているという。

 週労働35時間制は形骸化しつつあり、中には残業が月に200時間を超える従業員もいることが報告されている。

 関係者の話では、会社側は労働監督局の目をごまかすために、社内で従業員の労働記録を改竄(かいざん)したりして、給与明細に労働実態が反映されないようにしていることが指摘されている。専門家は経営者が皆、若く、経営の勉強もしていないことが一因と指摘している。

(A)