サウナの王様「サブサウナ」
地球だより
先日、ヘルシンキから北に車で約6時間かけて妻の実家を訪問した。気温が少し暖かかったこともあり、湖畔のサマーコテージで寝泊まりした。そこには、妻のお父さんが建てたサウナがある。サウナはサウナでも、当地ではサウナのキングとも言われるスモークサウナ。フィンランド語で煙はサブなので「サブサウナ(SAVUSAUNA)」と言う。丸太や木の板を組んだ木造の小屋の室内には石材のかまどが備えてある。
今回、妻のお兄さんがそのサウナを温めてくれ、久しぶりのサブサウナを楽しんだ。サブサウナを温めるには、薪(まき)を約6時間燃やし続ける。しかし、サブサウナには煙突がない。煙突がないので、すべての煙がサウナ室内に充満する。
それゆえにスモークサウナと呼ばれるわけだが、小屋の中はすすだらけ。気を付けないと一酸化炭素中毒になったり、火事になる危険があるので注意が必要だ。サウナが十分に温まったら、まず煙を外に出してからサウナを楽しむ。
その後は薪を燃やさなくても問題なく4~5時間はサウナで汗をかいて楽しめるのだ。サブサウナは電気で温めるサウナやそのほかのサウナと違い、体が本当にリフレッシュされたような気分になる。不思議なものだ。
まして、青い湖と針葉樹林が立ち並ぶ岸辺など、自然の中でのサウナは格別なものがあり、心もリフレッシュされる。フィンランドの人たちにとっては、湖畔で楽しむサウナは、なくてはならない必需品と言えよう。
(Y)