新賭博法めぐり国民投票
地球だより
カジノの先進国スイスで6月10日、「新賭博法」をめぐる国民投票が実施される。スイスからの情報では、賛成派と反対派が激しい争いを展開。焦点は、賭博依存症対策と治安・マネーロンダリング(資金洗浄)対策の2点だ。
昨年9月、スイス連邦議会で可決された新賭博法では、デジタル時代に対応するため、政府の許可を得ればオンライン賭博の運営が許可される一方、賭博依存症の対策もこれまで以上に強化された。例えば、現在カジノだけに課せられている依存症対策の義務が州と宝くじ企業にも適用され、依存症防止の専門家が少なくとも1人は監督当局に配属されるようになる。
新賭博法の賛成派は、①新法が公益を潤す②ギャンブル依存症の対策強化―の2点を主張。大規模な宝くじやスポーツ賭博の運営権利を持つ賭博協会などは、新法が導入されれば新しいタイプの宝くじやスポーツ賭博を企画できるようになる。
一方、反対派は、①新法がインターネットの検閲行為を助長し、スイス・カジノの孤立を招く②外国のギャンブル企業を締め出す③信頼できる企業サイトにアクセスできない場合、インターネットでギャンブルする人は闇市場に流れる危険性がある―などを主張している。
(O)