「ファースト・ドッグ」の不始末
地球だより
欧米の大統領はその王宮や執務室で愛犬を飼うケースが多い。オバマ前米大統領はホワイトハウスで犬(ボーとサニー)を飼っていたが、モスクワのクレムリンの主人プーチン大統領も負けていない。最近も外国首脳から犬のプレゼントをもらっている。5年前には、佐竹敬久秋田県知事がプーチン氏に秋田犬ゆめを贈っている。
フランスのマクロン大統領も捨て犬を動物ハウスからもらってエリゼ宮殿で飼っている。2歳の雄犬ネモだ。マクロン大統領が会議室で話していた時だ。ネモは大統領の近くにいたが、突然、宮殿の暖炉の壁に向かっておしっこをした。
大統領だけでなく、周囲にいた秘書たちも驚いた。用を足したネモは申し訳なさそうな顔をしてマクロン大統領の近くに行き、首を垂れている。マクロン大統領はネモの頭に手を置いて、何かつぶやいている。
犬を愛する当方はネモのために少し弁明したい。公職で超多忙なマクロン氏はネモと散歩する時間はあまりない。だから、ネモが用を足したくなってもお世話できないことが多いだろう。
ネモは犬の世界でも数少ない「ファースト・ドッグ」だ。大統領夫妻に随伴することもある。ストレスのため胃腸機能がおかしくなったとしても不思議ではない。公職に就く犬はファースト・ドッグだけではない。「警察犬は短命だ」と聞いたことがある。幸いマクロン氏がネモを厳しく罰したとは聞かない。
(O)