軍配属はママが決める?


地球だより
 「マザコン?」と疑いたくなるほどママに弱く、これといったスポーツ系の部活もなく育つ韓国の青年男子たちにとり、兵役は「男になる」ため欠かせないという話をよく聞く。家計を支えなければならなかったり、身体的な問題があるなど特別な事情がない限り、満19歳以上の男子は30歳になるまでに2年弱の軍隊生活が義務付けられている。

 ところが近年は兵役に就いても「男」になれないことが多いらしい。草食系男子が増えて教育しきれないというのもあるが、親がさまざまな手段を動員して楽な部隊に配属されるよう根回しするためだ。息子2人をもつ韓国人男性の知人の場合、人脈を使って長男を内勤にしてもらい、本人は通常なら禁止のはずのスマホまで所持が許されている。

 次男については「言うこと聞かずのわがまま育ちなので、最前線にでもブチ込んで鍛えられた方がいい」と内心思っていたが、妻の「かわいそうじゃないの」という一言にあえなく負けてしまい“善処”を依頼中だという。

 韓国にも「大事な子には鞭(むち)をもう一度打つ(=かわいい子には旅をさせよ)」という諺(ことわざ)があるが、ママたちには馬耳東風のようだ。「お勉強」だけでなく軍の配属先まで首を突っ込まれるとは。ママはこれで一安心だが、常に侵攻する機会をうかがっている北朝鮮と戦うのにこれで大丈夫?

(U)