金第1書記はお疲れ?


地球だより

 北朝鮮国営メディアが配信した最近のニュースで「おやっ」と思った箇所がある。最高指導者の金正恩第1書記が、このほど新たに建造されたクルーズ客船を“視察”した後、「船に乗って大同江(平壌を流れる川)を遊覧しながら笑いはしゃぐ人民たちを思い浮かべると、たまっていた疲れが取れる」と言ったと伝えたからだ。

 気に入らない幹部を次々と粛清し、飛ぶ鳥を落とす勢いだったはずの金第1書記が、実はバテ気味だったとは――。昼夜問わず人民のため働き続 けるという宣伝効果を狙った文句ではあろうが、もしかしたら本当に疲れているのかもしれない。あの異常とも言える激太りはそれを物語っていないだろうか。

 韓国政府によれば、金第1書記が公の場に姿を現してから今日までの5年間に体重が推定100㌔から同130㌔に30㌔も増えたという。特大のズボンはベルトなしでもぱんぱんで、刈り上げてむき出しになった後頭部はまっすぐ立った状態でも二重になり、少し屈(かが)んだだけで顔が真っ赤になる。「ストレスで暴飲暴食に走った結果」(韓国メディア)というストレス説が有力だ。

 普段は他のどの国もまねできない「王様気分」に浸っていられる金第1書記も、こんな時だけは大半は任期がある世界の政治指導者たちがうらやましいのではないだろうか。

(U)