レンタル電動スクーター


地球だより

 今ではすっかりパリの風景となったレンタル自転車「ベリブ」。2007年からパリ市が運営するレンタル自転車で手軽に空気を汚さずにパリ市内を移動でき、日本の公共交通機関で利用できるパスモやスイカのようなNAVIGOというカードも利用できる。

 このベリブ導入の目的は環境問題、特に車による大気汚染を減らすためで、パリ市は強引とも言えるほど、自転車専用レーンを整備している。

 このレーンは白線ではなく、コンクリートを盛り上げて作っているので車が強引に進入することはできないが、歩行者が間違って入り、猛スピードで走る自転車と衝突する事故は起きている。

 そのパリでは新しい交通手段として、乗り捨て可能なレンタル電動スクーターを6月から、試験的に導入する。新サービスは、パリ市でバイクのレンタルなどを手掛けるベンチャー企業、シティスクートによって運営され、乗り捨て可能な電動スクーターを同市内で貸し出す。

 パリ市としては、自動車に代わる移動手段として騒音や大気汚染を軽減する効果が期待できるとして、同プロジェクトの支援を検討している。まずは4カ月間、35台のスクーターを試験運用する予定だ。

 レンタル方法は、事前登録した利用者が携帯端末などで最寄りの電動スクーターを探し、借りたい旨を伝えると起動に必要な暗証番号がメールで送られてきて利用が可能になるというシステムらしい。ヘルメット付きで到着した目的地で返却できる。

 料金は使った電気料金などで多少変わるが平均すれば、1回300円程度とされている。

 パリでは現在、レンタル自転車とレンタル自動車が稼働しており、レンタル電動スクーターが加わることで大気汚染軽減が期待される。

 かつて、パリでは使用期間が10年以上たつような古い車が煙を吐きながら走る光景が見られたが、今はほとんど見掛けない。どこの大都市も同様な課題を抱えているが、パリ市の取り組みも参考になるかもしれない。

(M)