接種中止要求、県議会でも
このほど厚生労働省ワクチン検討部会で、今年4月から7月までの子宮頸がんワクチン接種による副反応報告数が発表された。それによると、関節の痛みなど291件の副反応の訴えがあり、そのうちの143件が重篤だという。
今年4月から定期接種となり、それまでの任意での接種と違って、補償体制が充実しているということが厚労省のアピールポイントだった。
この発表で、今年3月までの任意接種期間で報告があった副反応件数とほぼ同じ割合で、副反応と重篤なケースが出ていることが明らかになった。
だが依然として「ワクチンとの因果関係は不明」としている。因果関係が明確でなければ、副反応被害として認められないため、補償対象にはならない。
任意接種によって関節痛や記憶障害、痙攣(けいれん)を発症するようになった被害者も、ほとんど何の救済措置も受けられないまま、副反応に苦しんでいる。
治療法も見つかっていないが、症状が少しでも改善するよう病院を転々としている。今回の報告で、同ワクチン政策により、継続的にこうした被害者を量産していることが明確になったのである。
こうした中、兵庫県議会は10月25日、子宮頸がんワクチン接種の一時中止を含む接種事業の見直しを求める意見書提出を要請する請願が、健康福祉常任委員会で採択された。
これまで市町村レベルで、こうした請願が採択されてきたが、県議会では初めてだ。同請願は、「子供たちにとり『子宮』は将来の人生における妊娠・出産などに関わる問題だけに、短期的安全だけでなく、長期的安全性も保障されるものであるべき」として、長期的疫学調査を求めており画期的だ。
あまりに深刻な事態に、県議会でもワクチン接種の中止を求める動きが広がるものと見られる。(石)