いずこも家では女性優位ー韓国から


地球だより

 女性蔑視発言をしたとして東京五輪・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長が辞任に追い込まれたドタバタ劇はこちらでもニュースになったが、儒教精神などの影響で長く女性蔑視の歴史があった韓国でも近年は政府をはじめ「男女平等」の旗を掲げる人たちが目立つようになった。いやむしろ女性パワーが男性を圧倒する場面に出くわすこともある。女性大統領の誕生はその典型例だろう。

 そんな社会的風潮のせいかは分からないが、こちらの男性陣が女性の怖さ(?)を最も実感する場が実は家庭だ。先日、退職したばかりの元外交官の男性と食事をした際、彼は「僕が外で人と会ってランチする曜日は月月火水木金金」と言っていた。

 自分が家に居ると妻が今まで準備する必要のなかった夫の分まで昼食を作らなければならない。妻はストレスを感じて不満を漏らしケンカになるので、自ら白旗を揚げて毎日外出することにしたのだそうだ。

 日本によく出張する知人の会社員の場合、いつも奥さんへの土産に化粧品や美容グッズをどっさり買い込んでくる。奥さんには「日本製はいいから」と説明しているというが、筆者には「今よくしてあげないと。老後に世話になるんだから」と本音をポロリ。

 職場では「向かう所敵なし」さながらに活躍する彼らの姿を知っているだけに、家での健気(けなげ)な奮闘ぶりが目に浮かぶようでちょっとおかしかった。いずこも家では女性優位か…。

(U)