ビーチで楽しむ食のデリバリー ー韓国から
地球だより
新型コロナウイルスの感染防止に一定の成果を収め、世界的に見れば優等生と言える韓国でも「密」を避ける取り組みはまだ続いている。大雨の影響もあってこの時期、海水浴客が押し寄せる各地のビーチに例年のにぎわいはなく、ちょっと寂しい夏になっている。
ところでビーチでの楽しみといえば「泳ぐ」に劣らず「飲む・食べる」だろう。多くはデリバリーサービスを利用し、3大人気メニューはチキン(主にフライドチキンと甘辛ソース和えのチキン)、ピザ、中華料理。ビーチマットを敷いたり、テントを張っていると、どこからともなくデリバリー食の注文先が記された名刺が何枚も配られてくる。電話をして注文すれば、後は陣取った場所まで届けてくれる。
いつも感心するのは、どれだけ海水浴客が多くても配達員が注文客をピンポイントで探し出すことだ。注文する際におおまかな場所を予(あらかじ)め聞いておき、近くまで来たら携帯で知らせ、最後は大声で「チキン3箱頼んだお客さ~ん!」という具合に呼び掛ける。頼んだ方は座っているだけでいいので、実にラクだ。
ただ、一部の海水浴場では日暮れから翌朝までの夜間はデリバリーの飲食を禁止するという政府のお達しが来た。違反して摘発されれば罰金が科せられる。ビーチで発散したい若者たちの恨み節が聞こえてきそうだ。
(U)