急増するコンビニ配達


地球だより

 こちらでも24時間営業のコンビニがすっかり定着した。日本のようにコンビニとは呼ばず、漢字語で「便宜店」という。駐車場完備型は少なく、従業員に外国人(韓国人以外)を雇っているところをあまり見掛けないのも日本とは違う。

 筆者も出退勤の途中によく利用するコンビニがいくつかある。先月も仕事帰りに家の傍(そば)にあるコンビニに立ち寄って、ホワイトデー用にデコレートされたチョコなどを買った。「今日がその日だとさっき思い出しました。手ぶらで帰ると家の女性陣に怒られそうで…」と言うと、いつもレジに立っている中年男性が「わが家も同じ」と笑って答えた。コンビニといえども店員とのコミュニケーションを求める人は多い。

 ところで、最近は新型コロナウイルスの感染拡大で、コンビニまで足を運ばず、配達注文をする客が急増しているという。数年前からデリバリー会社と提携した配達サービスが始まっていたが、このところコンビニ業界全体に広がっている。

 専用アプリを使って一番近いコンビニを検索し、商品を注文すれば終わりだ。1万ウォン(約1000円)分以上を購入するのが条件で、送料は3000ウォン(約300円)。真夜中でも営業しているので夜更かし組や深夜族にはありがたい。

 もちろん、できるだけ人と距離を置き、対面や接客を避けるのがコロナ危機を乗り切るための心得だ。ただ、もともと人間同士の距離が近いこの国では物足りなさもあろう。行き届き過ぎた「便宜」にちょっと複雑な思いもする。

(U)