家庭教師のハードな1日
韓国から
教育熱が高い韓国では子供たちが小さい頃から学習塾やピアノなどの習い事、受験を控えれば予備校に通わされ、1週間の放課後スケジュールがビッシリ詰まっている子も珍しくない。そんな教育需要の上に成り立っているビジネスの一つに「学習誌」と呼ばれるものがある。親会社が独自考案した問題集を教材とし、専任講師が自分の担当区域で1週間に1度、会員の家庭を訪問し、親が見ている前で解き方などを教えるフランチャイズ式家庭教師だ。
「学習誌」教師の大半は女性で、筆者の知人の場合、はたから見ていてもかなりしんどそうだ。朝、事務所に出勤して子供たちが解いた問題を採点したり、本社から来た管理職を交えた会議に出席。午後は訪問時に親たちに勧める新教科の資料や採点済み教材が大量に入った10キロはありそうなカバンを持って会員宅を分刻みで訪問するのだ。最終コマは高校生を教える夜10時台、11時台という人も多く、皆体のどこかが悲鳴を上げている。
唯一とも言える励みは、担当する会員たちがどれだけ多くの教科をどれだけ長く続けてくれるか、新たに何科目を追加申し込みしてくれるかなど一種の出来高制で給与がどんどん上がっていくことだ。既婚者の場合、夕飯の時間にも戻らず家族そっちのけなので最初は夫たちから猛反対されるが、1年もすると自分より手取りが多い給与明細を見せられ、何も言わなくなるのだそうだ。
(U)