「ぼっちメシ」も平気


地球だより

 ソウルなどの都市部では昼飯時になると大勢の会社員やOLが街に繰り出す。お目当てのランチを食べようと三々五々、飲食店に入って行く。近年はオフィスが入るビルの地下などに「構内食堂」と呼ばれる一種の社員食堂がある場合も多く、格安で美味(おい)しいランチを食べることができる。日替わり定食を揃(そろ)え、「今日は何を食べようか」と悩む必要がないからか結構列をつくって並んでいる姿を見かける。

 筆者も時々、よく利用する外国特派員協会などが入るプレスセンターのビルの地下にある「構内食堂」で食べるが、最近は以前ならあまり目にしなかった独りで食べる「ぼっちメシ」をしている人が必ずいる。テーブルを挟んで向かい合わせで何人かがおしゃべりしながら食べている一方、壁に向かって設置された長テーブルに一人ずつ座る場所があり、ここで「ぼっちメシ」をしているのだ。

 韓国では昔から一人で食事しようものなら周囲から「友達もいないの?」と変な目で見られかねず、いっそのこと我慢して食べない方が気楽という人が多かったというからちょっとした変化と言えよう。

 そういえば何年も前、一緒にオフィスをシェアしていた韓国男性は朝出勤すると、まずその日のランチに誘う同僚に内線をかけまくることを日課のようにしていた。まだ「ぼっちメシ」が普及していなかった頃の懐かしい光景だ。

(U)