御婚約をめぐる“騒動”再燃も聞こえてこない眞子殿下と小室氏の肉声
◆新しい内容ない文春
御(み)代替わりが迫ってきているというのに、気掛かりなことが残っている。もちろん、どうしても整理しておかなければならないということではないが、御退位御即位に影を落とすようなことであれば避けねばならない。
秋篠宮家の長女眞子殿下の婚約内定者・小室圭氏が突如、母親の抱える“借金問題”について「解決済み」文書をメディアに発表。これに対して、母親の元婚約者は「勝手に発表して、どういうつもりだ」と反発、両者の主張は真っ向からぶつかっており、眞子さまの婚約をめぐる“騒動”は収まるどころか、再燃しているのだ。
週刊誌にとっては格好の話題である。週刊文春(1月31日号)が「小室圭の乱『眞子さま洗脳』」という刺激的な見出しで報じれば、週刊新潮(同)も小室氏の母親が「『天皇陛下』謁見要求」という驚くようなことを伝えている。
文春から見てみよう。記事は文書発表、母親の元婚約者の反応、文書発表のタイミング、秋篠宮殿下の反応(予測)といった内容で、小室氏の文書と同じように特に目新しいものはない。
見出しの「洗脳」だけが唯一目を引くが、これは、眞子さまが文書発表を事前に把握していたにもかかわらず、秋篠宮さまには報告せずにいたことに対して、「宮内庁関係者」が「まるで“洗脳”されている状態にあると言えます」と語ったことを取り上げたものだ。内親王が民間人から“洗脳”されているとすれば由々しき事態である。
これが婚約(者)に対する宮家の良くない印象を反映したコメントだとすれば、秋篠宮さまの怒りの度合いが知れるというもの。とかく父親は「娘が言いくるめられている」と思いがちなのだ。
◆母の行動報じた新潮
読者として知りたいことは、改めてなぜこのタイミングで小室氏は新味のないコメントを出して、世間を騒がせたのかということである。昨年11月30日の誕生日会見で秋篠宮さまが「(結婚のためには)相応の対応が大事」とお話しになったことへの応答だとすれば“悪手”である。
週刊新潮は小室氏の母親・佳子氏の異常な行動を取り上げた。こともあろうに「両陛下にお会いして、お話をさせて頂けませんか」と宮内庁に直訴していると言うのだ。文春にはない内容で、この情報を出すタイミングとすれば、今が一番いい。
それにしても、常識外れもいいところだ。一般社会でも父母を飛び越えて祖父母に会って弁明するなど聞いたことがない。「宮内庁も驚愕」しているというが当然だろう。「立場上は眞子内親王殿下の“婚約内定者”の母親」の“分際”だ。それで両陛下に会おうというのは一体どういう神経をしているのか。同誌も「倒錯の極みであろう」と唾棄している。
◆皇嗣家の重みを確認
「面会要請」の情報も読ませるが、この記事は前段でもっと重要なことを再確認させてくれた。「皇后さまは最近『歴史上“皇嗣家”が作られるというのは初めてのことです』」と語っておられたと伝えているところだ。
皇嗣家には「皇位継承権者が2人いる」という重み、さらに「将来の皇統は秋篠宮家の悠仁さまを起点とし、連綿と続いていくことになる」ということを改めて確認させたのである。
眞子さまの配偶者は将来の天皇の義兄になる可能性がある。「御所の事情に通じる人物」は、「皇后さまは『新しい時代に重要となる皇嗣家に連なる親戚として、あの方が入ってくるのは到底考えられません』と漏らされていたのです」と同誌に伝えているが、これが本当であれば、小室母子はもはやアウトだ。文春が言うように眞子さまがいくら「洗脳」されていようが、である。
今後も週刊誌は小室氏と佳子さんを追い掛けるだろう。2誌の記事を見ると、皇室が抱く否定的な見方を反映させており、読者の多くも共感するものだ。しかし、その中でまだ聞こえてこないのは眞子さまと小室氏の肉声である。お立場上、眞子さまがこの件で取材を受けるのは難しい。小室氏の生の主張を取ってくるのが、各誌、腕の見せどころとなる。
(岩崎 哲)