生徒が主体の授業


地球だより

 日本のある大学関係者がフィンランドの学校の授業を視察したいということで、面識のある中・高校の校長先生にお願いして授業を見せてもらった。授業内容は、中学の数学と高校の社会学だった。

 数学の授業は、生徒たちが少人数のグループに分かれてホームワークの問題解答を話し合っていて、先生はグループを回って質問を受けていた。その後、先生が黒板にホームワークの内容に関連した問題3問と、次に学ぶ新たな内容の問題を書き、それをグループごとに生徒たちが解く。解答は、答えが分かったグループの生徒が黒板に書いた。先生はあくまでも質問があるグループで受け答えをしているだけだ。

 つまり、教師が一方的に説明して教えるというのではなく、問題を生徒が話し合い、解き合い、分からないところを教師が補う授業形式だ。教師の話では、こちらの方が生徒の参加、つまり生徒が主体の立場で授業に参加するので、理解度が高いということだった。

 高校の社会学の授業は、ゲームを用いた授業。これもグループに分かれ、先生がまずやり方を説明した後、生徒4人がグループで温暖化問題に対する方針を決めて解決する内容だった。

 ゲームの中で、自らが問題を解決するために方針を考え、話し合い、決定していかないといけない。これも生徒が主体の立場で温暖化問題を考え、理解していく。しかも、このゲームは、方針が間違っていれば最終的に問題解決にならなくなる仕組みになっている。自分の学生時代とは違う、生徒主体の斬新な授業に感心させられた。

(Y)