高騰するパリの高級住宅
地球だより
パリ中心部、凱旋門近くの250平方メートルの高級アパートが5年前の3倍の値段で米国人富豪に買われたと、仏国営TVフランス2が報じた。英国の欧州連合(EU)離脱(ブレグジット)で世界の富裕層がロンドンからパリに熱い視線を振り向けており、パリは今、高級不動産バブルにある。
ロンドンの不動産が中東や中国、インドの富裕層の投資対象になっているのに対し、パリの場合は、実際に住みたいと思って購入する個人が多い。高級住宅の価格上昇は、昨年誕生したマクロン政権下で経済が上向き、活気を取り戻していることも大きい。
窓からエッフェル塔やセーヌ川が見下ろせるような高級アパートは以前から人気が高いが、シャンゼリゼ通りに近い高級ブティックが並ぶモンテーニュ通りの100平方メートルを切る物件が、300万ユーロ(約3億9千万円)で売られ、半年以内に買い手がついている。
外国からの不動産投資が増えている他の理由としては、2024年のパリ五輪開催も後押ししている。物件探しに訪れる米国の不動産関係者が増える一方、中国や中東の富豪たちもパリに来た時の滞在先として購入する例が増えているそうだ。
10年くらい前からロンドンに比べて価格が安いパリの不動産を買いあさっていた投資家は今、笑いが止まらない状態にある。今やパリは高級不動産では世界で2番目に価格が高いと言われ、これでもしブレグジットに伴い金融関係の富裕層がロンドンからパリに移り住んでくれば、価格はさらに跳ね上がるかもしれない。不動産バブルはしばらく続きそうだ。
(A)