CIA長官、正恩氏と極秘会談
米国の次期国務長官に指名されているポンぺオ中央情報局(CIA)長官が、トランプ米大統領の特使として北朝鮮を極秘に訪問し、金正恩朝鮮労働党委員長と面会していたことが明らかになった。ワシントン・ポスト紙(電子版)など複数の米メディアが17日、報じた。トランプ氏は18日、ツイッターで極秘会談を認めた。
同紙によると、ポンぺオ氏は復活祭(イースター)の週末だった3月30日から4月1日までに北朝鮮を訪問。米朝首脳会談の開催に向け、前提条件などについて話し合ったとみられる。ポンぺオ氏は、12日の国務長官指名承認の公聴会で、米朝首脳会談について、「対話のための条件を適切に設定することについて楽観的だ」と述べていた。
ウォール・ストリート・ジャーナル紙(電子版)によると、米政府と金委員長の直接対話は「今も継続している」という。
トランプ氏は18日、ツイッターでポンペオ氏が金委員長と会談したことを確認。ただ、会談時期は「先週」としている。会談について「とてもうまくいった。良い関係が築かれた」と指摘。「非核化は世界にとってだけでなく、北朝鮮にも素晴らしいことだ」と強調した。
トランプ氏は極秘会談が明らかにされる前、「今は対話をし、問題を解決すべき時だ」と述べ、米朝首脳会談が6月の早い時期までに行われるとの見通しを改めて表明。一方で「うまくいかなければ開かれないかもしれない」とも指摘し、その場合は北朝鮮に対しこれまでのような強硬な姿勢を続けると語った。
トランプ氏はまた、米朝首脳会談の開催場所の候補地として「5カ所ある」と述べ、その中に米国は含まれないとした。
現職米高官が北朝鮮最高指導者と会うのは、クリントン政権下で、オルブライト国務長官(当時)が2000年10月に故金正日総書記と会談して以来。クリントン氏の訪朝について協議したが、同氏の在任中には実現しなかった。
(ワシントン山崎洋介)