韓国人の就職絶対条件

容姿良く30歳以下で語学力も

 「超売り手市場」といわれる学生の就職状況。選(え)り好みをしなければ百パーセント就職できるが、実際の求職と求人のマッチングは昔も今もアンバランスだ。誰でも希望の会社に入れるわけでもなく、不本意な社会人生活をスタートした若者も多い。

 「何をぜいたくな」と言っているのがお隣の韓国である。自国の状況を卑下して言う「ヘル朝鮮」(地獄の朝鮮)は就職で顕著に表れていて、2014年から10%台の青年失業率が続いている。「大学は出たけれど」を地で行っているのだ。

 実際に韓国の就職事情はどうなっているのか。「新東亜」(4月号)が「外国人が見た『韓国人の就職絶対条件4』」の記事を載せた。これは外国人留学生の目を通して見た就職事情である。

 それによると、当然と言えば当然だが、新卒採用するために、企業の目は在学生に向かう。韓国では「卒業生」にはほぼチャンスがない。そのため納得できる就職をするために学生身分を続けたり、大学院に進む者が多いという。しかしそのためには学費が余計にかかり、これが「少なくない負担」となる。

 かといっていつまでも「学生」でいられるわけではない。暗黙の「年齢制限」があるというのだ。「男は30歳、女は28歳」というが、日本から見ればあまり厳しい年齢とは言えない。それには理由がある。韓国では男子に「兵役義務」があり、3年弱の“空白”ができる。休学して軍隊に行き、復学して卒業するパターンが多く、必然的に許容年齢が高くなっているのだ。

 それでもこの年齢制限は青年たちにプレッシャーを与えているようで、「外国へ職場を求めるのも考慮している」という学生は多いと同誌は伝える。先頃、駐日韓国大使館が日本企業を集めて韓国人採用の説明会を開いたが、政府次元で就職市場の海外開拓を後押ししているのだ。求職難に加え年齢制限もあれば、よそへ活路を見いだそうとするのも自然の流れだ。

 さて、韓国での事情に戻る。「フォトショップする」という言葉がある。写真加工ソフトを使って、履歴書の写真を見映え良くすることだ。同誌によると、「韓国人大学生の多くは、『就職市場で容姿が実際に大変重要で、多くの求職者が整形手術を受けている』と口をそろえる」という。

 韓国に留学している学生の目を通してみた韓国就職事情だが、韓国企業の高い語学力要求基準には一様に驚きを示す。「韓国企業は母語を含めて3カ国語を駆使できるかを聞いてくる」という。韓国語の他に英語と中国語だという。

 編集委員 岩崎 哲