小惑星探査機「はやぶさ2」が地球の重力を…


 小惑星探査機「はやぶさ2」が地球の重力を使った加速と軌道変更(スイングバイ)に成功し、目的地の小惑星「りゅうぐう」に向けた軌道に乗った。2018年6~7月ごろの到着を目指す。

 今回の成功で、プロジェクトマネジャーの津田雄一・宇宙航空研究開発機構(JAXA)准教授は「メンバー全員力を合わせ、挑戦の航行を続けます。それでは地球の皆さん、行ってまいります」というコメントを出した。粋な発信だ。

 もちろん、はやぶさ2に乗務員はいない。地上管制システムで遠隔操作し、文字通り宇宙を探査する機械、ロボットだ。しかし決して冷たいロボットではなく、正義の味方であると同時に人間に対し良き友人であるとのメッセージでもある。

 なるほど、12年の渡辺謙さん主演の映画「はやぶさ 遥かなる帰還」でも、宇宙で通信の途絶えたはやぶさに、管制官たちはまるで行方不明になった家族の一員のように情愛を込めた。従来、機械に対して抱いていたイメージを大きく変えた。

 加えて、その親しみある探査機が行き来する宇宙空間も、より身近になってきた。小惑星は、太陽系小天体のうち、星像に拡散成分がないものの総称で、木星軌道と火星軌道の間に位置する。しかし、ほとんど知られていない存在だった。

 はやぶさの活躍で、小惑星に関心を持つようになった人も少なくないのではないか。「挑戦の航行」に拍手を送りたい。