飲酒運転と酒税軽減


沖縄発のコラム:美ら風(ちゅらかじ)

 沖縄県は、平成27年上半期(1~6月)の飲酒運転による摘発件数が744件となり、前年同期に比べ118件も増加した。同県警交通指導課がこのほど明らかにした.

月平均100人以上が摘発されるペースだ。飲酒運転による逮捕者は前年同期比40人多い214人。さらに、飲酒絡みの人身事故は5月末現在42件で、うち死亡事故は4件6人。6月以降は北谷町(ちゃたんちょう)における死亡事故1件を含み7件が発生している.

交通人身事故に占める飲酒絡みの割合は25年連続、また死亡事故に占める飲酒絡みの割合は平成7年から21年まで15年連続で全国ワーストワン。一時はワーストから抜け出したものの、一昨年と昨年は再び2年連続で全国ワーストだ.

自動車免許の更新の講習会では、沖縄県交通安全協会は飲酒運転の危険について念入りに説明する。「少しぐらいなら飲んで運転しても大丈夫だろう」と安易に考える人が多いという.

沖縄県は酒の税金が標準税率より低い税率が適用されている。酒税の場合は本土の標準課税額に対して、泡盛で35%、ビールなどその他のアルコール飲料で20%の軽減割合となっている.

沖縄県は昭和47年に本土復帰した後、県内の出荷向けの酒類に限り、酒税軽減特別措置が取られた。復帰直後は60%軽減されたが、特別措置はこれまで5年ごとに延長を繰り返して現在に至っている.

当面は平成29年5月までは特別措置が約束されている。平成24年には、「普天間基地問題の対策のひとつ」として特別措置が延長された経緯がある。

 翁長県政の政策を考えれば酒税軽減特別措置見直しの議論が出てきても不思議ではない。(T)