観光客増加は五輪効果? 英国から
地球だより
ロンドンを訪れる観光客数が今年前半だけで792万人に達して、前年同期比で8%増加したと先週発表された。このまま行けば、年間で1600万人に届くことになり、ロンドンはバンコクを抜いて今年世界1位になると予想されている。ちなみに、外国人観光客の多い都市は昨年実績で、1位バンコクの1598万人、2位ロンドンの1550万人、3位パリの1400万人、4位ニューヨークの1150万人、といった具合だ。
観光客増加の理由には、英王室のウィリアム王子夫妻に長男が誕生したニュースや大英博物館でのポンペイ展なども誘因になっているものの、やはり昨年開催されたロンドン五輪の効果が大きく出ているようだ。観光客だけでなく、外国からの投資や再開発プロジェクトが五輪後も活発に続いているという。
五輪開催後は「祭りの後の静けさ」と言われるように、通常では観光客数が落ち込むのだが、ロンドンはこの常識を破っていることになる。ロンドンは大会開催前から五輪後の長期的なレガシー(遺産)づくりに力を入れていたことが功を奏している感じだ。
ただ、今年前半の観光客数の内訳は欧州が5293万人、北米が1082万人、その他が1544万人であり、この中には観光を装った欧州からの多数の移民労働者や、アジアやアフリカから観光ビザでやって来て、英国の無料の国民医療サービスを受けようとする外国人も含まれている可能性があり、五輪効果さまさまだとは言い切れないようだ。
(G)