経済・文化で交流深まる台日 台北駐日経済文化代表処 沈斯淳代表
2008年に初当選し、2012年に再選された馬英九総統は、5月20日に2期目の就任2周年を迎えました。台湾と日本は、地理的、歴史的に極めて密接な関係にあり、馬総統は台日関係を「特別パートナー関係」と位置付け、経済貿易・観光・文化・青少年など、さまざまな分野の友好関係の強化と発展に力を入れ、数多くの成果がありました。
特に昨年4月には、「台日漁業協議」が調印され、台日間の長年の懸案であった漁業問題が大きく進展しました。また、「台日漁業委員会」が常設され、操業ルールをめぐる未解決の問題を一つ一つ解決していく中核となっています。これらは馬総統が2012年8月に「東シナ海平和イニシアチブ」を提起し、この海域における主権争議を棚上げし、平和的な話し合いを通した問題解決を呼び掛けたことに呼応した具体例だといえます。
昨年11月には、台日間の「電子商取引取決め」「特許等優先権書類電子的交換覚書」「薬事規制協力取決め」「鉄道交流了解覚書」「航空機捜索救難協力取決め」「金融監督協力覚書」など6項目の取決め・覚書に調印し、台日間の信頼関係はますます強化され、協力分野もより一層広がりました。
3年前に台湾と日本のオープンスカイ(航空自由化)が実現して以来、台日間の人の往来がますます緊密になり、昨年の相互往来者数は376万人に達し、過去最高を更新しました。特に台湾からの訪日旅行者数は234万人であり、前年比で50%増の大幅な伸びでした。今年は台日の往来者数400万人達成を目指してまいります。
青少年交流についても、昨年の日本の高校生が修学旅行で台湾を訪れた人数は1万4000人余り、台湾の高校生が修学旅行で日本を訪れた人数は7000人余りとなり、未来の台日関係を担う若者の交流もますます緊密になっています。
今年は6月24日から東京国立博物館、10月7日から九州国立博物館で、台湾の国立故宮博物院「神品至宝」展が開催されます。故宮展の日本開催はアジアで初めてであり、門外不出の「翠玉白菜」や「肉形石」も海を渡って期間限定で展示されます。また、2年後には日本の国宝級のコレクションが台湾の故宮博物院南部分院で展示される予定となっており、このような文化交流のイベントを通して、台日友好関係がより一層深まることと確信しています。
日本は台湾にとり2番目の貿易パートナーであり、台湾は日本にとり5番目の貿易パートナーで、双方間には極めて緊密な経済貿易関係があります。台湾は目下のところ、「自由経済モデル区」を成立させるため、各方面に働き掛けており、これにより台日間の産業がお互いに協力し、強化されることを願っています。今後も合意できるものから成果を積み上げていき、将来的には「台日経済連携協定」(EPA)の調印を目指していく所存です。
また、台湾は地域経済統合への参加も積極的に推進しており、環太平洋連携協定(TPP)や東アジア地域包括的経済連携(RCEP)への参加に対して、日本の各界のご理解とご支持が得られることを期待しています。