前沢友作さんがISS到着「着いちゃったよ」


日本の民間人初宇宙旅行、滞在中は実験や情報発信を行う

前沢友作さんがISS到着「着いちゃったよ」

国際宇宙ステーション(ISS)への到着を喜ぶ前沢友作さん(中央下)ら(日本時間9日、NASAテレビより)

 衣料通販サイト運営会社「ZOZO(ゾゾ)」創業者の前沢友作さん(46)が9日午前1時10分(日本時間)ごろ、国際宇宙ステーション(ISS)に到着した。前沢さんは、笑顔で両手を振りながらISSの中に入り、滞在中の宇宙飛行士と握手。地上との交信で「着いたよ、宇宙だよ。着いちゃったよ」と喜びの声を上げた。

 日本の民間人がISSに滞在するのは初めて。約12日間滞在し、20日にカザフスタンの草原地帯に帰還する。

 8日午後4時38分にカザフスタン・バイコヌール宇宙基地から打ち上げられたロシア宇宙船ソユーズは3人乗りのカプセル型。前沢さんのほか、関連会社役員平野陽三さん(36)と船長のロシア人宇宙飛行士が搭乗し、同日午後10時40分ごろISSにドッキングした。滞在中、一般から募集した実験を行うほか、動画投稿サイト「ユーチューブ」などを通じて情報発信する。

 前沢さんらは、ソユーズによる宇宙旅行を提供する米企業と契約。今年6月から、モスクワ郊外の施設などで訓練を受けてきた。

 日本人の宇宙飛行は、1990年12月にソユーズに搭乗したTBS記者(当時)の秋山豊寛さんが初めてで、前沢さんらは13、14人目。秋山さんは事前に宇宙飛行士の資格を得ており、前沢さんらは資格のない日本初の「宇宙旅行者」となる。

 前沢さんは米スペースX社が2023年の実施を目指す月周回旅行の最初の乗客にも内定。この旅行では、同行者8人を募集して話題を呼んだ。