大半が鉄の惑星、地球から30光年先で発見
地球から約30光年離れた赤色矮星(わいせい)の周りで、大半が鉄などの金属核でできているとみられる惑星が見つかったと、ドイツ航空宇宙センター惑星研究所などの国際研究チームが3日付の米科学誌サイエンスに発表した。太陽に相当する赤色矮星との距離が非常に近く、表面温度は最高1500度程度に熱くなる。このため主に鉄の金属核を取り巻く岩石のマントルが融解し、ほとんど失われた可能性が考えられるが、形成過程は謎だという。
太陽系外の惑星を探索する米衛星「TESS(テス)」や欧州南天天文台の大望遠鏡による観測により、この惑星「GJ367b」は半径が地球の72%、質量が55%で、密度は純粋な鉄に近いと判明。金属核の割合が水星のように大きいが、惑星半径に対する金属核の半径は86%で、水星を上回ると推定された。
太陽に当たる赤色矮星は半径、質量とも太陽の半分弱。この惑星は1周わずか8時間弱で公転し、距離が近いため、高温になる。公転周期が24時間(1日)未満の惑星は「超短周期惑星」と呼ばれ、当初は外側の離れた軌道で形成された後、他の惑星の影響を受けるなどして内側に移ったとの見方がある。