浪江町立請戸小を公開、福島で初の震災遺構
曲がった窓枠など被災の爪痕がそのまま、24日オープン
福島県浪江町は7日、東日本大震災の脅威や教訓、地域の記憶を後世に伝えるため、震災遺構として整備を進めてきた町立請戸小学校を報道陣に公開した。県内では初の震災遺構で、24日から一般公開される。
海岸から約300メートルに立地する請戸小は、津波の影響で2階床付近まで浸水した。1階部分は、曲がった窓枠や剥がれ落ちた天井、津波到達時刻から止まったままの時計など、被災の爪痕がそのまま残されている。
2階の教室には、捜索に入った陸上自衛隊員や一時帰宅した住民らのメッセージが書かれた黒板や、震災前の町並みを復元した模型を展示。請戸地区で生活していた住民らが被災体験を語る映像も流す。
このほか、小学校の歴史を紹介する管理棟や、当時校舎にいた児童ら95人の避難の経過が描かれた絵本「請戸小学校物語」を使って被災状況を説明するパネルも整備した。
町教育委員会の玉川宏美副主査は「津波がどれだけの脅威か、実際に目で見て肌で感じてもらいたい。卒業生にとってシンボル的な存在になれば」と話した。