ジャパンライフ事件、山口元会長が詐欺認める
検察が冒頭陳述「返金申請を撤回させるよう部下に指示」
磁気治療器の販売預託商法を展開したジャパンライフ(東京、破産手続き中)をめぐる巨額詐欺事件で、詐欺罪に問われた元同社会長山口隆祥被告(79)の初公判が22日、東京地裁(浅香竜太裁判長)であり、同被告は起訴内容を認めた。同被告は、「大変申し訳なく思っている。心からおわびする」と述べた。
検察側は冒頭陳述で、山口被告が会社の経理状況を含めた業務全般を統括していたと指摘。電話や通信アプリ「LINE」で全国のマネジャーや店長に指示を出していたほか、資金繰りが急速に悪化し顧客から返金を求められると、申請を撤回させるよう部下に命じていたと主張した。
検察側は「朝から晩まで畑を耕し、節約したお金をだまし取られた。許せないし、本当にショックだ」と訴える被害者の調書も読み上げた。
起訴状によると、山口被告は会社の資金繰り悪化で配当金の支払いや元本返済をできる見込みがないことを隠し、2017年8~12月、顧客20人から契約金として計約1億6560万円をだまし取ったとされる。
事件をめぐっては山口被告の次女で元同社社長山口ひろみ被告(49)や元幹部ら12人が出資法違反(預かり金の禁止)罪で起訴。うち9人は有罪判決が確定している。
ジャパンライフは数百万円の磁気ネックレスなどを販売。売買契約と同時に商品を預かり、別の顧客に貸し出すことで購入者にレンタル料(配当金)を支払うほか、元本も保証するなどとうたって勧誘していた。高齢者を中心に顧客を増やしたが、17年12月に事実上倒産した。