南アを下し白星発進、粘り強くこじ開け決勝点
冷静に試合運ぶ、メダル目指す「最強世代」が順調な船出
日本の先行きを大きく左右する重要な初戦。南アフリカに新型コロナウイルス陽性者が出るなど混乱もあった中で、「挑戦者として、一試合一試合の勝利をつかみ取りにいく。懸念材料はない」。森保監督が自信を持って送り出した選手が期待に応えた。
調整に不安のある相手は、5バック気味に固いブロックを敷く割り切った戦いで挑んできた。日本は序盤からボールを支配して、圧倒。「戦術面に穴がある」。そろって指摘した久保と堂安が、ワンタッチプレーで揺さぶりをかけ、林もクロスによく飛び込んだがオフサイドの網に掛かった。
決定力を欠いた中、均衡を破ったのは久保の左足だった。右サイドで浮き球のパスを受けると、カットインして素早く振り抜く。「試合を重ねる中で体も慣れてきた。100%の気持ちでやれる」。有言実行の決勝ゴールだった。
「柔軟性を持って臨機応変に粘り強く対応する」。森保監督が就任以来繰り返してきたように、相手の事情や主力の冨安の欠場にも左右されずに、冷静な試合運びを見せた。「史上最強」との呼び声が高く、53年ぶりのメダル獲得の期待を背負う東京世代が、順調に船出した。
森保一監督 できればもっとゴールを奪って、楽な試合にしたかった。初戦の難しさを感じながら、選手たちは我慢強く戦ってくれた。いい形で次に進める。最善の形をとって、次に向かってやっていきたい。