コロナワクチン接種回数、計1000万回を超える
1日当たり最大40万回、政府目標の100万回には遠く
新型コロナウイルスワクチンの国内での接種回数が、28日までに計1000万回を超えた。各地の大規模会場設置などで加速が図られるが、1日当たりでは最大約40万回にとどまる。高齢者への接種を7月末までに終えるため、政府が掲げる1日100万回には遠く及ばない。
政府によると、26日までに報告された総接種回数は計1059万5100回で、内訳は医療従事者向けが約710万回、高齢者向けが約350万回。2回打ち終えた人はそれぞれ約280万人、約20万人で、2月に始まった医療従事者に限っても対象者の4割以上が接種を終えていない。
24日から自衛隊が東京都と大阪府に設置した大規模会場では、それぞれ1日最大1万人、5000人の接種を見込む。厚生労働省によると、27日時点で宮城、群馬、愛知の3県でも大規模接種を開始。準備や検討を進める自治体も多く、大規模接種の動きはさらに広がるとみられる。
全国の1日当たりの接種回数を見ると、4月下旬から10万回を超えるようになり、今月18日には40万回台に到達。26日は約42万回だった。高齢者接種の本格化に伴い増加しているが、それでも政府目標の半分に満たない。
高齢者で1度目の接種を終えた人は約330万人で、対象となる約3600万人の1割未満。残り約2カ月で全員の2回接種を終えるとすれば、平均で政府目標の1日100万回を達成しても届かない計算となる。
自治体からは、打ち手となる医療従事者の確保が難しいとの声が上がる。政府は救急救命士や臨床検査技師も活用する方針だが、思惑通りの接種完了は見通せない状況が続く。