橋本大輝に五輪切符、演技の粗さ目立ち課題に
体操NHK杯優勝、「エースとして引っ張れるよう頑張る」
19歳の橋本は、苦しい試合を乗り越えて五輪切符をつかんだ。結果的には全日本選手権の貯金が生きた形となり、「きょうの内容は満足いくものではない。五輪までの課題にし、エースとして引っ張れるように頑張る」。神妙な表情で思いを新たにした。
4月の全日本選手権決勝は圧巻の演技で88・532点をマークした。各種目を難度の高い技で構成し、Dスコア(演技価値点)は日本選手随一。しかし、この日は粗削りな部分が出て、6種目合計で2点以上得点を落とした。
5種目目の平行棒は、着地で腰が沈んでしまい、大きく後ろに動いた。最後の鉄棒は手放し技こそ成功させたが、倒立技で回転が詰まった。「失敗したくない思いが強過ぎて、それが体に出てしまった」。繊細な技に、精神面の影響が表れてしまった。
前回大会まで不動のエースだった内村不在で五輪の団体総合に臨む日本男子。日本協会の水鳥男子強化本部長は「(代表選考会で)挑戦できたことが五輪にはつながる」と橋本への期待を口にした。双肩にかかる大きな責任に「点数を取ってほしいところで取る、流れを変えられる選手になりたい」と橋本。本番まで2カ月余り、エースへの険しい道を歩んでいく。