小室さん問題を「天皇家の在り方」として捉える新潮に朝日も“参戦”
◆“もやもや”が増幅
小室圭さんの28枚にわたる説明文書を読んで、あるいはそのニュースを聞いて、読者諸兄はどう感じただろうか。納得して“何かスッキリしないもやもや”が晴れて、眞子内親王殿下との結婚を心から祝福する気になっただろうか。
昨年、秋篠宮皇嗣殿下が「多くの人が納得し、喜んでくれる状況」を求められ、西村泰彦宮内庁長官も小室家が抱える“借金問題”に対して、十分な説明責任を果たしてほしいと要望していた。
小室さんは米国で法律を勉強中で、日本で会見を開いて自らの言葉で説明できる状況ではないものの、「リモート」でも十分可能なのに、小室さんが取った手段は“長大な弁明書”を出すというものだった。
小室さんはこの法律家もどきの理屈で鎧(よろ)った“言い訳書”を「理解してくれる人が一人でもいれば」と言い、“幸いにも”というか、唯一西村長官だけが「納得」して高く評価したが、大半は“もやもや”が晴れるどころか増幅させた、というのが正直なところだ。
週刊朝日(4月23日号)は「小室圭さんの危うい香り」という、何だか分からない曖昧な見出しの記事をトップに載せた。同誌は「彼の文書に好感を持つ人は少ないのではないか」と控えめに言っているが、要するに“いけ好かない”ということだ。「皇室の方のお相手として、ふさわしいという印象は受けませんでした」と。こう言うのは「要職も経験した宮内庁関係者」。長官が文書を評価し、事態を進めようとしていることに対して、危惧している様子が分かる。
◆止めに近い“文春砲”
「小室圭さんのウソ、証拠音声を公開する」と“文春砲”を放ったのが週刊文春(4月22日号)。これまで、小室さんの母佳代氏が婚約者X氏から受けた「400万円」について、X氏が「返してもらうつもりはなかった」と言ったことを盾に、小室さん側は「借金ではない」と一貫して主張してきた。
ところが、それを覆す録音があった。X氏は「差し上げますと言った覚えはない」と小室母子に言っていたのだ。いくら婚約中とはいえ、世帯を別にした相手側に金銭を渡せば「貸し借り」の話になる。小室さんはX氏から学資を「400万円」受けているが、当然、血のつながった親子でもなければ、養子にもなっていない間柄だった。
その4日後、小室さんは「解決金を渡す」と弁護士を通じて発表する。一転して、借りた金を返すことにしたのだ。「将来、私の家族までもが借金を踏み倒そうとした人間の家族として見られ続ける」と借金を否定していたのにだ。
「残念ながらこうした一連の対応は、一層の逆風を呼び込んでしまった」と同誌は言う。小室さんを追い詰める片棒を担いだのは同誌だが、ここまできて、世の中が納得する説明を小室さんにできるのかは、相当に難しだろう。今回の文春砲は止(とど)めに近い。
◆「危機的状況」の皇室
小室さんの文書公表の背後には眞子さまがいることは他誌も触れているが、週刊新潮(4月22日号)は一層厳しい。「秋篠宮家の事情を知る関係者」が同誌に語る。「眞子さまは今回、皇族としての一線を越えてしまわれたなと(略)、対応を完全に取り違えています」と批判する。
皇室には「清潔さや誠実さ、そして品格を求めています」というのは「皇室制度に詳しい小田部雄次・静岡福祉大学名誉教授」だ。「皇族が民事上の争いに首を突っ込んでいると見なされても致し方ありません」と突き放し、「国民に寄り添って長年かけて築いたものも、壊れるのは一瞬です。皇室への敬愛を現在進行形で損ねているという自覚が、小室さんにはあるのでしょうか」と危惧を示す。
事は一皇族の結婚話ではなく、天皇家の在り方、という捉え方は同誌に一貫しているし、週刊朝日も「皇室の危機的状況」と、これに“参戦”してきた。
(岩崎 哲)