アマゾン保護を約束 ブラジル大統領、米大統領に書簡


 ブラジルのボルソナロ大統領は14日、バイデン米大統領に書簡を送り、2030年までにアマゾン熱帯雨林での違法伐採を撲滅することを約束した。政府系ブラジル通信が15日付で報じた。

 ボルソナロ氏は書簡の中で、違法伐採撲滅には膨大な財源と広範囲に及ぶ公共政策が必要だと説明。そのためには米国を含む国際社会の支援が欠かせないと主張した。

 さらに、「環境破壊の原因の多くが貧困と機会の喪失にあることは明白の事実だ。環境保護を実現させるには、経済発展が必要なことは理解していただけると思う」と続けた。

 ボルソナロ氏は、違法伐採を監視し、取り締まるだけでアマゾンを保護できるとは思えないとの持論を展開。熱帯雨林周辺に住む2500万人のブラジル人に対し、違法伐採に代わる経済手段を与える必要があるとした。

 バイデン氏は今月22、23日にオンラインで「気候変動サミット」を開催する予定で、日本を含む世界40カ国の首脳を招待している。ボルソナロ氏も出席を予定しており、「米国とブラジルの関係を深めるため、環境保護に向けて野心的な取り組みを見せる準備がある」と書簡で強調した。

 バイデン氏とボルソナロ氏は以前、環境問題で強烈な批判を応酬した経緯がある。アマゾン保護のために経済制裁を辞さないとするバイデン氏に対し、ボルソナロ氏は武力衝突の準備もあると反発していた。

(サンパウロ・綾村悟)