新START 米、露の延長提案を拒否
オブライエン米大統領補佐官(国家安全保障担当)は16日、米露の新戦略兵器削減条約(新START)を無条件で1年間延長するよう求めたロシアのプーチン大統領の提案について、「見込みがない」として拒否した。来年2月の失効を前に、米露両国はその条件をめぐって駆け引きを繰り広げている。
「全核弾頭の規制」要求
ホワイトハウスの国家安全保障会議(NSC)が発表したツイッターの声明でオブライエン氏は「米国は新STARTの1年間延長を提案したが、すべての核弾頭を規制することが条件だ」と強調。「コストの掛かる軍拡競争が始まる前にロシアが方針を見直すよう希望する」と表明した。
米国は、射程の長い戦略核弾頭だけでなく、短距離、中距離も含めたすべての核弾頭に上限を設けることを要求。また、核戦力の増強を続ける中国も含めた多国間の枠組みとしたい考えだ。
これに対しロシアは、現状維持を求め、協議は難航していた。今回のロシアの提案は、来月3日の大統領選を前に外交実績を挙げたいトランプ米大統領から譲歩を引き出す狙いがあったとみられる。
一方、大統領選でトランプ大統領と対決する民主党のバイデン前副大統領は、当選すれば新STARTを前提条件なしに延長し、その間新たな枠組みについて交渉する考えを示している。
オブライエン氏は、声明に先立つ講演で「ロシアは様子見をして
(ワシントン 山崎洋介)