米大使館の全職員撤収へ
ポンぺオ米国務長官は11日、政情不安が続くベネズエラの在カラカス大使館で勤務する米国人職員全員を帰国させると発表した。ポンぺオ氏は声明で「ベネズエラの状況が悪化し、大使館に米外交官がいることが米国の政策の制約になっている」と撤収の理由を説明した。
国務省は1月24日、ベネズエラのマドゥロ大統領が米国との断交を発表し、米外交官の国外退去を求めたことを受け、大使館から緊急対応に携わる職員以外の撤収を命じていた。
ベネズエラでは、7日から全土で大規模な停電が続き、人工透析機器が使えず死者が相次ぐなどして、人道危機に拍車が掛かっている。こうした中、米国はマドゥロ政権への圧力を一層強めている。
米財務省は11日、国営ベネズエラ石油(PDVSA)に科された制裁を回避するのを助けたとして、モスクワを拠点とする銀行「エブロフィナンス」への制裁を発表した。
ムニューシン財務長官は声明で、「米国は、正統性のないマドゥロ政権を支援し、ベネズエラ国民を苦しめる経済崩壊と人道危機を助長する金融機関に対して行動を起こす」と強調した。声明によると、エブロフィナンスは、PDVSAに対し、仮想通貨の発行を支援した。
(ワシントン 山崎洋介)