民主党の左傾化牽制
トランプ米大統領は5日の一般教書演説で、「21世紀型の社会主義」を掲げ、経済破綻状態に陥った南米ベネズエラの反米左派マドゥロ大統領を批判するとともに、社会主義的政策に傾斜する野党・民主党の動きも牽制(けんせい)した。
「われわれはここ米国で、社会主義を採用せよとの新たな要求に不安を感じている」。
トランプ氏は、演説の中で、マドゥロ政権に対する批判に続いて、米国内における民主党の左傾化を暗に批判した。
2020年米大統領選の候補者選びがスタートする中、民主党の有力候補らは民間保険を廃止し公的保険に一元化する政策や超富裕層の資産に課税する「富裕税」の検討を表明するなど、社会主義的な政策を相次いで打ち出している。こうした動きは党に対して影響力を強める左派の支持者の意見を反映しているが、一方でこうした政策には膨大な予算が必要となったり、経済の活力を削(そ)ぐ恐れがあるとの批判も浴びている。
トランプ氏は、演説の中で、マドゥロ政権について「南米で最も裕福だった国は社会主義的な政策により悲惨な貧困と絶望に追い込まれた」と強く非難。その上で、「米国は、政府の強制、支配、管理ではなく、自由と自主独立の下に建国された」と強調し、「われわれは今夜、決して社会主義国にはならないとの決意を新たにする」と宣言すると、会場の共和党議員らからは「USAコール」が沸き起こった。
(ワシントン山崎洋介)