バイデン氏勝利に異議表明へ、クルーズ上院議員ら11人


 米与党・共和党上院議員ら11人は2日、大統領選の選挙人投票の結果を公式に集計する6日の上下両院合同会議で、バイデン前副大統領勝利の結果への異議申し立てに賛同する意向を表明した。

米上院議員に就任する共和党のハガティ前駐日大使=2020年11月、ワシントン(AFP時事)

米上院議員に就任する共和党のハガティ前駐日大使=2020年11月、ワシントン(AFP時事)

 11人は現職上院議員のクルーズ氏のほか、新たに上院議員に就任するハガティ前駐日大使ら。議員らは声明で「2020年の大統領選で不正行為があったという主張は、われわれの生涯で前例のない規模だ」と指摘した。

 その上で、議会に対し、不正について調査する委員を任命し、10日間の「緊急監査」を行うよう要求。これが実現しなければ、選挙結果の認定に反対するとした。

 既にホーリー上院議員が異議申し立てを発議する意向を表明。CNNによると、下院議員も少なくとも140人が賛同する見通しだという。

 上下両院合同会議では、各州ごとに選挙人投票の結果が認定され、両院の議員が結果に異議を唱えれば、各州最大2時間の審議が行われる。その後採決が行われ、上下院ともに過半数の同意でその州の結果は無効となる。

 トランプ氏はバイデン氏勝利確定に反対するよう共和党議員に呼び掛けており、6日には首都ワシントンで「大規模な抗議集会」を開くと明らかにしている。

 一方、合同会議で進行役を務めるペンス副大統領の補佐官は2日声明を出し、「副大統領は不正に対する何百万人もの懸念を共有する。上下院議員が法の下で保持する権限を行使して異議を唱え、1月6日に議会と米国民に証拠を提出する努力を歓迎する」と理解を示した。米メディアによると、ペンス氏に対し認定手続きに介入し、不正の主張がある激戦州の結果認定を拒否することを求める声がトランプ氏の支持者の間で高まっている。

 共和党のゴーマート下院議員らは先月28日、ペンス氏にどの州の選挙人を集計すべきかを決定する「独占的権限と裁量権」があることを確認する訴えをテキサス州の連邦地裁に起こしたが、同裁判所は今月1日、訴えを退けた。

(ワシントン 山崎洋介)