愛媛・宇和島水産高校、犠牲9人の冥福を祈る
えひめ丸事故から15年、300人が参列して追悼式
米ハワイ・オアフ島沖で2001年2月、愛媛県立宇和島水産高校の実習船「えひめ丸」が米原子力潜水艦に衝突され、生徒ら9人が死亡した事故は10日、発生から15年を迎えた。宇和島市の同校では、遺族や在校生、教員ら300人余りが参列して追悼式が行われ、犠牲者の冥福を祈った。
同校の「えひめ丸慰霊之碑」では事故発生の午前8時43分、沈没したえひめ丸から回収された鐘が犠牲者と同じ数だけ鳴らされた。九つ目の音の余韻の中、全員が黙とう。田上和昭校長は「つらい事故を絶対風化させてはならない」と涙ながらに述べ、参列者は白い菊を献花台に供えた。
海洋技術科2年の中川幸崇さん(17)は「最近の世代で事故を知っている人がいない。後世に引き継ぐために地域の人と協力していきたい」と話した。船の機関士になっていろいろな国の海を見たいといい、「事故を忘れず必死に勉強したい」と意気込んだ。