油井さん、カザフスタンの草原地帯に無事帰還


国際宇宙ステーション滞在141日、健康状態は良好

油井さん、カザフスタンの草原地帯に無事帰還

国際宇宙ステーションでの長期滞在を終え、ソユーズ宇宙船でカザフスタンの草原地帯に無事帰還した油井亀美也さん=11日夜(NASAテレビより)

国際宇宙ステーションに到着直後、地球を背に写真に納まる油井亀美也さん。宇宙から最初のツイート(つぶやき)に添えた=7月24日(油井さんのツイッターから)

国際宇宙ステーションに到着直後、地球を背に写真に納まる油井亀美也さん。宇宙から最初のツイート(つぶやき)に添えた=7月24日(油井さんのツイッターから)

 今年7月から国際宇宙ステーション(ISS)に141日間滞在した油井亀美也さん(45)が日本時間11日午後10時10分すぎ、ロシア宇宙船ソユーズで、中央アジア・カザフスタン中部の草原地帯に帰還した。宇宙航空研究開発機構(JAXA)によると、油井さんの健康状態は良好という。

 油井さんは11日午後3時半ごろ、ISSに残る3人の宇宙飛行士と抱き合って別れを惜しんだ後、米国とロシアの飛行士とともに帰還用ソユーズ宇宙船に移動した。同6時49分にISSから切り離された後、大気圏突入のため噴射を行った。

 当初は12月末に帰還する予定だったが、ロシアの無人補給機のスケジュール変更などに伴い、11日に前倒しになった。この影響で、最近のソユーズでは異例の日没後の帰還となったが、JAXAは「安全上の懸念はない」と説明していた。

 油井さんは7月23日、カザフスタン・バイコヌール宇宙基地からソユーズ宇宙船でISSに到着。8月には日本人飛行士で初めて、鹿児島県・種子島宇宙センターから打ち上げられた無人補給機「こうのとり」5号機をロボットアームでキャッチし、ISSにドッキングさせた。

 日本実験棟「きぼう」では、謎の暗黒物質発見を目指す実験装置を設置し、創薬につながるたんぱく質の結晶成長実験なども担当。ツイッターを使った情報発信にも積極的に取り組んだ。

 油井さんは2009年2月にJAXAの宇宙飛行士候補に選抜された。航空自衛隊のテストパイロット出身で、今回が初飛行だった。来年6月ごろには、全日空パイロット出身の大西卓哉さん(39)がISSに長期滞在することが決まっている。